入広瀬

-Irihirose-


旧入広瀬村の駅で、観光会館と一体化した駅舎があります。しかし、入口には「雪国観光会館」という表示のみが
記されており、駅であることを示すものはありません。中には地元の特産品を展示するコーナーや旧駅舎の写真があり、
入広瀬の郷土や歴史を知る手掛かりが目白押し。また、柿ノ木方には車庫があり、昔は列車の交換が可能であったなど、
鉄道の運行における主要駅でもあります。かつては簡易委託駅でしたが、2010年春に無人駅となりました。

駅名標はお馴染みのものがあり、他駅同様美観を損ねています。しかし、当駅の駅名標はこれだけではありません。
かつて使われていた駅名標が、旧駅舎の写真や記念きっぷなどと共に展示されているのです。

左・中心は、旧駅舎時代に使われていた国鉄タイプの駅名標です。左の駅名標で注目したいのが、当時仮乗降場であった
「柿ノ木」が記載されていることです。国鉄時代、隣駅が仮乗降場の場合、駅名標にその駅名を記載せず次の常設駅の名前を
記載するのが慣例でした。しかし、ここではきちんと記され、例外に当たります。当時、仮乗降場については時刻表の路線図に
名前や場所が記載されておらず、実際にそこに行くまで存在が把握できなかったそうです。というのも、仮乗降場自体
地元の利用を促進させるのが目的だったため、何も知らない余所者が使うはずない、と考えていたからでしょう。
右の駅名標はJRになって設置されたもので、どうやら駅舎が新しくなった際に出てきたものと思われます。
総交換前には魚沼地域の多くの駅に見られましたが、小出の上越線ホームを残して消え去りました。
しかし、こうして昔の駅名標が保存されているのは、何とも嬉しいことです。


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