上三寄


会津若松市の南部、会津鉄道にある主要駅・芦ノ牧温泉。辺りは国道沿いの古い集落で、
寄棟や入母屋の屋根を持つ古い民家が数多く建ち並びます。当駅もまた青く塗られた木造駅舎で
あり、国鉄時代からの雰囲気を残しています。そんな駅の目の前にも不思議な標が。「かみみより」と
書かれた古い駅名標です。隣駅名は「もんでん」「くわばら」となっていました。さらによく見て
みると、「くわばら」の下には小さく「ふなこ」と記されていました。どういうことでしょう。

これは芦ノ牧温泉が国鉄時代「上三寄駅」だった頃に使われた駅名標です。現在の隣駅は
それぞれ「あまや駅」「大川ダム公園」といずれも異なりますが、やはり3セク化後の変化に
よるものです。あまや駅は会津鉄道移管後の新駅で、大川ダム公園駅は仮乗降場だった「舟子駅」の
後身です。国鉄時代、隣駅名が仮乗降場の場合は記さないか括弧書きで小さく記すのが慣習で、当駅に
おいても適用されました。また、「くわばら(桑原)」というのは、現在の2つ先の「芦ノ牧
温泉南駅」の改称前の駅名で、やはり移管時に現在の名前となりました。


アクセス:芦ノ牧温泉駅のすぐ目の前


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