市原市内を北西から南東にかけて縦断し、上総中野に至る私鉄です。
外房線との乗換駅にして市原市の中心地である五井が起点で、
終点の上総中野ではいすみ鉄道に乗り換えられます。但し、中野に至る便は
1日に5本しか運転されず、私鉄としてはワーストクラスの本数とされています。
いすみ鉄道と共に房総横断路線を形成し、気動車がとことこ走ります。
関東のローカル線として有名で、気動車はもちろん、昔ながらの木造駅舎が
数多く残ります。沿線には田園風景が広がり、後半は山岳風景も楽しめます。
ローカル線と聞く路線は多いですが、駅名標については新しく、
駅や列車の古さとのギャップが大きいデザインが目立ちます。
よくそれでローカル線と言えるな・・・と私は常々疑問に思いましたが・・・
ここには見事な風情があります。筆による温かみのあるデザインで、
国鉄デザインに鳥居型の枠をもった、古き良き駅名標です。
昔はどこの鉄道においてもこんな駅名標が見られたようですが、
そのほとんどが交換され、前述した場違いの駅名標ばかりが
台頭しています。そんな中、ここでは手付かずの駅名標を拝め、
タイムスリップしたかのような感覚を得られます。
千葉市の近くにあって、ローカル線とは大袈裟な・・・と
私は不思議に思っていましたが、実際に駅名標を見てみると
いい加減な感想ではなかったと捉えました。